不動産売却任意売却
不動産売却において「任意売却」という方法があります。「任意売却」とはどういった売却の方法なのでしょうか。
任意売却の流れ
住宅を購入する際には住宅ローンを組んで融資を受けて購入する方が多いと思います。ですがその毎月の住宅ローンの返済が滞ってしまう場合もあるようです。返済が出来なくなった場合、その住宅自体を売却して住宅ローンを返済することになります。
その際、住宅の売却において融資を受けていた銀行などの金融機関と合意に基づいた上で住宅を売却する手続きを行うことを、「任意売却」という言葉で呼んでいます。任意売却の他、任意売買といった言葉も使用しますが意味は同じです。
任意売却の流れは、まず返さなくてはいけない住宅ローンの返済が厳しくなり返済が滞ってしまいます。そうすると滞納1ヶ月目から金融機関の方から督促状等が送られてきます。
そして住宅ローンを滞納してから3ヶ月から6か月ほどで期限の利益喪失ということになってしまいます。そしてこの時、債権者に対して任意売却の申請を行います。
そこで合意が出たら任意売却を行うことが出来るようになるんですね。この時に任意売却が出来ないと法的手段による競売となってしまいます。
マイホームの住宅ローンが払えなくなったらどうなる?
マイホームは人生で一番高い買い物の一つですよね。一般的にはほとんどの人がそのマイホームを担保にして「住宅ローン」を組んで買うのです。
もちろん先立つものがあれば、こんな方法を取らずキャッシュで払えば良いのですが、そういう購入方法が取れる方はまれでしょう。
ただ「住宅ローン」は一般的に35年ローンなど、かなり長期に渡って支払うことになるので、不本意にもその人の経済状態が変化して滞らせてしまうリスクもあります。
実際20年ほど前には「ゆとりローン」と言った緩い名前の公的なローンが存在し「当初5年は金利のみの低額で元本を払わなくて良い」というローンがあり、5年後に跳ね上がった支払いになってその後払えなくなり、マイホームを手放す破目になったという人が多数あふれました。
住宅ローンが払えなくなると、そのマイホームは差し押さえられ、「競売」にかけられるか、「任意売却」をしなければならなくなってしまうのです。
場合によっては、手元に何も残らないのに、ローンだけが重くのしかかる地獄のような日々が訪れることもあり得るのです。
競売よりも「任意売却」のほうがまだまし?
「任意売却」の場合、差し押さえられて競売にかけられるよりはメリットがあります。
メリットとは以下のようなもの。
- 比較的近隣の相場に近い価格で売却することができ、ローンの債務の負担が軽くなる
- しっかりと交渉を行うことによって、無理のない範囲で返済をすることができる
- 競売のように公開されてしまい、近所に知れ渡るリスクがない
- 売却成立後に移転する時期など、多少の要望を聞いてもらえる
競売になると、有無を言わせず公開されてしまうため、アッという間に周辺の人達にこのことが知れ渡ってしまいますし、落札される金額は市場価格からかなり目減りした金額になります。
また落札されてしまうと、都合に関係なく立ち退きを余儀なくされ、債務がより多く残ることになり、まさにお先真っ暗という状態になってしまいます。
そういった状態になるくらいなら、まだ「任意売却」で相談しながら話を進める方が、希望も持てますね。
「事故物件」と「任意売却」
事件や自殺など死亡事故が発生した物件を手放す場合に「任意売却」という選択肢はあるのでしょうか。実際このような心理的瑕疵のある「事故物件」を普通に不動産屋を介して売却する場合は、必ず「告知事項」を記載しなければなりませんね。
ですので、一般的には敬遠され、あらぬ噂が立ったりして、すんなりと話が進まないことも多いのです。またこの物件にローンが残っていた場合、その支払いがのしかかって来ますので、できるだけ早く売却したいと考えるものですね。
そういったことから、「任意売却」で債権者と話し合いを持った上で、交渉が上手く行けば、合意した額で売買をすることも場合によっては可能なようです。ただローンの残債より高くなるか安くなってしまうかは、交渉次第でしょう。
こういったケースをよく取り扱っている不動産業者を選び、相談してみるのが早道です。
またこのような「任意売却の相談」そのものには、費用はかかりません。
万が一自分が暮らしている家が事故物件になってしまった場合、ローンが残っている場合は、「任意売却」の方向性を探ってみるのもひとつかもしれません。
いずれにせよ、さまざまな知識を持った専門家や不動産業者を見つけて、しっかりと相談してみることが大切。それができるか否かによって、その後の流れを大きく左右することになるかもしれません。