病死でも事故物件になってしまうその理由

病死でも事故物件になってしまうその理由

 

 

現代は「おひとりさま」が多くなり、高齢化が加速していますので、今後こういった単独世帯の人が人知れず自宅で病死する、といったことはさらに増える傾向だと考えられます。

 

自殺したり、他人とのトラブルで貸している部屋で殺人事件が起こった、などといった場合、その物件は悲しいかな「事故物件扱い」になってしまいます。


単独世帯に賃貸している部屋の場合、病死されたらどうなってしまうのか…?
この場合でも「事故物件扱い」となってしまう場合もあります。

 

ここでは病死の場合で、後に「事故物件扱い」になってしまうケースについて考えてみました。

単独世帯で病死した場合、発見までの時間がキモ

 

ヒトは亡くなるとどうなるのか?

病院で亡くなったり、看取りをして自宅で亡くなる場合は、医師の元などで、遺体が葬儀や火葬までの間に腐敗などしないように、さまざまな面で対処してもらえるので、お任せしておけばいいだけですよね。

 

でも…そういった処置が死後すぐに行われない場合、一体どうなってしまうのか。

 

  • 心臓が止まってしまうと、血液が流れなくなり、肌の色が変わってくる
  • 体温が外気温と同じくらいまで下がってくる
  • 血液が凝固しはじめる
  • 数時間の間に筋肉が固まるようになり、動かしにくくなるいわゆる「死後硬直」がおきる
  • 死後数十時間経過すると、今度はたんぱく質が分解されてきて緩んでくる
  • 便や尿などが残っていれば遺体が緩んだことで排泄されることも
  • 腐敗した匂い(死臭)が漂い始める
  • 遺体をバクテリアや細菌が分解しはじめると、ハエやダニ、アリなどが寄ってくる
  • 内臓のところで腐敗したことによりガスが発生すると体が膨らみ、目や舌が飛び出すことも
  • さらに腐敗が進むと内臓が分解され、ガス状や液状になる
  • ガスで遺体が膨らんだことで、皮膚が剥がれ落ちるようになる

 

書いてて、いたたまれなくなりましたが…。
このような経過をたどるそうです。
この経過のどの部分で発見されるかによって、物件にダメージが残るかどうか、差がでるということですね。

 

これも例えば夏の暑い時期、じめじめした梅雨の時期などだと、より早く腐敗していくことが容易に想像できますよね。
また亡くなったところがどの部屋なのか?ということでも、ダメージには差が出そうですね。

 

単独世帯で、病死後発見されるとたいてい警察が来る

 

筆者の親族にも、単独で昨日まで自分で生活していたのですが、翌日倒れているのを発見され、すでに他界していた、というケースがありました。

 

持ち家で、隣に親戚がいたので、毎日顔を見に来る習慣があったので、早期発見で、通夜に行ったときも、建物は特に変なところはなかったんですが、この時も「検死」をしに警察は来たそうです。

 

老衰でしたので、事件性もなく、ただ大往生だったね、で済んだのでよかったですが、このケースも、半日とか、さらに1日遅く発見されていたら、どうなっていたかわかりません。

 

警察が来ると、周辺地域の人は「何事か」と変な噂も立てかねないですから、病気で亡くなっただけでも「人が亡くなった物件」というレッテルを周辺から勝手に貼られる可能性もありますよね。
ただ厳密にいうと、「事故物件扱い」になるかどうかは、これで判断するということでもないようです。

 

部屋で亡くなった場合は「告知事項あり」となる

 

自殺や事件での他殺などに限らず、病死した場合も「その部屋で亡くなった」場合は「告知事項あり」としなければならないようです。

 

いわゆる「事故物件」のイメージとしては「心理的瑕疵がある」ことがポイントですが、「告知事項あり」だからイコール「事故物件」ということでも実はないよう。

 

例えば貧困世帯で、誰にも助けを求めず、餓死したり、病死したり…というケースで、かなり時間が経過してから発見されて、ニュースに出てしまった場合などは、「事故物件」というイメージになりますよね。
ニュースに出た段階で、「大島てる」には記載されてしまうでしょうし。

 

とはいえ、不動産業者によると、いずれのケースの場合でも、「告知事項あり」とし、どのような形で亡くなったのか、ということの一定の説明はつけなければならない、とのことです。
次にそこに入る人が、ある程度認識できて、のちにトラブルにならないように、告知を行うことは必要、ということですね。

 

部屋ではなく庭で病死したら?

 

室内ではない敷地内などで、病死した場合はどうか?

こういった場合は、発見がある程度部屋より早いですから、そこまで遺体が損傷することも考えにくい。また物件そのものにはダメージがまったくないということであれば、グレーゾーンになるケースもあるそうです。

 

どのような形で亡くなっても、次に入る人がそのことを理解したうえで、契約する意思表示ができるように、必要な事柄はきちんと告知する義務があるということですね。

 

まとめ 一概に判断が難しいため、業者に判断を仰ぐ

不動産の賃貸や売買には、資格を持った不動産業者を介すのが一般的です。
トラブルがあった後に賃貸や売買を行う場合、どういったことが起こったのかきちんと伝え、その上で、どういった告知をすべきなのか、専門家に判断を仰ぐのがベターでしょう。

 

基本告知すべきことは、きちんと告知を、これがトラブルにならないポイントです。

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