家を売るときに掛かる諸経費
特に問題がない家を売る場合と同様「事故物件」を売却する際にも、いくつか諸経費が必要になります。
ただ〇〇円で売れることになった、となっても、そのままのお金が手に入ると思っていたのに、諸経費が思った以上に出て行ってしまい、価格交渉をもう少し考えればよかったと後悔するかもしれません。
ここでは「事故物件」を含む、家を売るときにかかる諸経費について、みておきましょう。
売却時には手数料や税金がかかる!
具体的な例をとって、どのような経費がどのくらいかかるのか、見てみましょう。
実例 … 事故物件 売却価格:1970万円 (不動産会社仲介)
【かかる諸経費】 印紙税 + 仲介手数料 + 司法書士への報酬 + ※譲渡益課税
売却時にかかる経費 | ||
---|---|---|
印紙税 | 1万円 | 売買価格1千万~5千万は 1万円 契約書に貼る |
仲介手数料 | (1970万円×3%+6万円)×消費税8%=70万3080円 | (取引価格×3%+6万円)×消費税 |
司法書士への報酬 | 1万円 (~数万円) | 所有権移転や抹消登記など依頼する場合 |
登記費用 | 1つの不動産につき1千円 | 土地と建物で2つ分 |
譲渡益課税 | 0円 | 購入時より安価売却、譲渡所得3千万以下は不要 |
諸経費 (2+3+4+5+6)= (1万円+70万3080円+1万円+2000円+0円) = 72万5080円
印紙税、仲介手数料は、売却価格からいくらになるか、決められています。
●印紙税
売却価格 | 印紙税 |
---|---|
10万円 ~ 50万円まで | 200円 |
50万円 ~ 100万円まで | 500円 |
100万円 ~ 500万円まで | 1000円 |
500万円 ~ 1000万円まで | 5000円 |
1000万円 ~ 5000万円まで | 10000円 |
5000万円 ~ 1億円まで | 30000円 |
1億円 ~ 5億円まで | 60000円 |
5億円 ~ 10億円まで | 16万円 |
(以下割愛)
一般的に売買が多くされるのは、1000万円から5000万円クラスの物件かなと思います。
このラインの売買価格だと、一律で印紙税は1万円ということなんですね。
●仲介手数料
売却価格 | 仲介手数料の上限値 |
---|---|
200万円以下の部分 | 5%+消費税 |
200万円超400万円以下の部分 | 4%+消費税 |
400万円超の部分 | 3%+消費税 |
厳密にはこのように、金額を区切った部分で仲介手数料の上限は微妙に違います。
しかしこれを簡単に計算できるよう、同じ金額が算出されるようにできる速算方法があります。
【速算式】
200万~400万円で売却 … 売買価格×4%+2万円+消費税
400万円以上で売却 … 売買価格×3%+6万円+消費税
一般的には400万超の物件が多いので、そちらの式だけを知っていれば、事足りることが多いようです。
ローンが残っている場合はさらに諸経費がかかる
売却物件にローンが残っている場合は、さらに別途経費がかかります。
- 一括繰り上げ返済手数料 … 数千円~数万円 残債の金額や金融機関の規定による
- ローンの額を超えたお金 … 売却価格がローン残を下回ったらその部分現金が必要
ローンは大手銀行など金融機関から借りていることがほとんどですが、一括で返済してしまう場合、繰り上げ返済の手数料を払わなければなりません。
これは銀行によって規定が分かれており、金額もバラバラですので、取引中の金融機関の指示通りにするしかありません。
またローンの残よりも、売却価格が安くなってしまったら、一括返済時にそのお金も現金で用意しなければなりません。
「事故物件」なら売却前にクリーニング費用も想定を
また「事故物件」の場合、内部のしかるべき部分をクリーニング、あるいは度合いによっては一部リフォームしないと、売却の話にもならないケースも考えられます。
そういった場合は、売却の話を進めるタイミングで、クリーニング(特殊清掃含む)、リフォームなど最小限度の原状復帰費用も、必要になるかもしれません。
一般のお宅でも、売却の際にはハウスクリーニングを入れることが多いですので、「事故物件」はさらにプラスしてそういった費用を想定しておくほうが無難といえそうです。
まとめ 諸経費は意外と高額!100万円単位で想定が必要
2000万円程度の売却費用で、実際どのくらいの費用がかかるのか、見てみました。
不動産の仲介手数料が意外とかかるということ、また「事故物件」の場合はそれゆえの経費も想定する必要がありそう、ということが分かりました。
これらから考えると、ざっくり諸経費だけで100万円ほどは見積もっておかないと、といった感じ。
さらに高額な物件の場合は、それ以上に諸経費としてまとまった金額を想定しておく必要があるでしょう。